【創作】女たちの昼下がり
ふたりは公園のベンチに並んで座り話していた。
A子「若いってうらやましい、ニコニコしてるだけであんなにちやほやされて」
B美「言ってることがおばさんくさいぞ」
A子「みなさいよあれ、みんなデレっとした顔しちゃって」
B美「まあ、たしかにね」
A子「あたしも10年前はあんな風にちやほやされてたのよ」
B美「ふーん」
A子「それが今じゃ、誰もかまってくれない」
B美「あたしがいるじゃん」
A子「さっきだって、男どもったらCの周りに群がっちゃってさ」
B美「そりゃ、仕方ないよ。あの子は童顔でぶりっ子だもん、男は放っておかないって」
A子「あんなぶりぶりのぶりっこなにがいいのかねぇ」
B美「そういえば、あんた最近G君のことチラチラ見てるよね」
A子「はっ?見てないし」
B美「わかりやすいねぇ、顔、赤いよ。もう6年の付き合いだよ、あんたとは」
B美「あんた、気づいてないみたいだけど、Gもあんたのこと見てるよ」
A子「・・・・・・・!」
B美『うはは、耳まで真っ赤になってる、かわゆいねぇ」
A子「もう!からかわないでよ!」
A子「あたし、帰る!」
A子は立ち上がるとカバンを背負って走り出した。
A子「あとでー、塾でねー」
B美「ほーい」
A子は途中で立ち止まるとベビーカーを覗き込んで、デレっとしていた。