ぐぐーる

あなたらしい楽しさと幸せを

エレベーター。待つべきか待たぬべきか問題

ども、ぐぐーるです。

僕は普段、ドライバーの仕事をしている。ドライバーと言ってもレーサーとか格好いいものではない。小さなトラックでお店を回って食料品を配送している。昔から車の運転は好きだったので、仕事のお誘いを受けたときはいいかなと思ったけど、そうでもなかった。

今日はドライバーの仕事につきまとうジレンマについてひとつ書いてみる。

あるビルのエレベーターがとにかく遅い。十階ほどの雑居ビルに入っているお店なんだけど、このエレベーターのせいで、とにかく時間がかかる。エレベーター自体の動きが遅いのもあるが、それよりも六階から十階まではエステやヘアサロンなどが入っているのが問題だ。もちろん僕的に問題であって、このエステやヘアサロンにはなんの問題もない。

トラックを店のそばに止める。この建物の前は駐車禁止の取締をよくやっているので五分以内に戻りたい。荷台で荷物を揃えて、まず取締のおじさんたちがいないか通りを見渡す。

おじさんたちの姿が見えないことを確認したら、建物の入口から通路を通ってエレベーターに向かう。入り口からエレベーターが見えるんだけど、この時点でエレベータを待ってる人がいるとがっかりする。時間がかかるのが確定するからだ。

そんなことをいっても仕方ないので待つ、やっぱり降りて来ない。雑居ビルに多いんだけど、待っているときに今、何階にいるのかが表示されないエレベーターって何なんだろうか、近くまで来ると点滅するランプのみ。コストダウンなのか知らないけど、お客さんはストレス溜まっちゃうと思うよ!とか自分の気持を客に代弁させておく。

そして、その間にも後ろから人がやってくる。おまたせランプが点滅して、やっと降りてきたエレベーターに乗り込んで二階、四階、五階とボタンを押す。待たされたストレスと「えっ?何ひとりで3フロアも押してんの?」という不快をまとった視線を感じながら、こころの中で「仕事だからしょうが無いじゃん」と言い訳をする。

各フロアにつくと、エレベーターからは降りずに、エレベーターの外にさっとおいてすぐに閉めるを押す。五階の荷物を置く。もしここで誰も乗っていなくて、上の階からも呼ばれてなければ、手をパタパタさせちゃうくらいには、幸せな気持ちになれるのに。

このエレベーターはドアが閉まるまでも遅い。上の階に行って、ひとが降りた後、誰も乗らないとドアが開いてる時間がもったいない。さらにエステやサロンというのはエレベーター挨拶儀式のためにドアを開けっ放しにすることが多い。客の会計に合わして、先にエレベーターを呼んでおく。もし先にエレベーターが来てしまった場合はそのまま別のスタッフがボタンを押しっぱなしで開けっ放しにする。だから上までお付き合いする。これで開けっ放しにすることを阻止できる

余裕の時間があるならこんなカリカリしたことはしたくない。しかし、駐車違反をやられたら自腹で反則金を払わなければならない。一日分くらいの給料は吹っ飛ぶのだ。絶対に切らせない。絶対負けられない戦いがここにはある。

だから、ここのエレベーターだけは絶対に待たない。エレベーターに乗り込んだときに、通りから人が入ってきても絶対にふりむかない。

駐車禁止の取締が悪いのだ、いや、あの取締を決めた警察が悪いのだ、いや警察に指示をした政治家が悪いのだ、いや、そんな政治家に投票したあなたが悪い。

なんてことを思いながら、なぜか開くボタンを押してる俺。